第3回 オンライン時代の雑談に欠かせない!? テレワーク動向とツール事情

全国では34.6%、東京23区では55.5%がテレワークを経験

国土交通省の調査によると、2008年にはすでに340万人が在宅型テレワーカーとして就業しており(自営型在宅と雇用型在宅の総数)、2012年になると、930万人にまで増えています。この時点でテレワーク導入企業が全業種を対象にしても11.5%あり、多少の増減をしつつ2019年には19.1%、つまり2割弱の企業がテレワークを導入していました。(総務省「平成30年通信利用動向調査」より)

しかし、約2割の企業がテレワークを導入しているとはいえ、その実態はまだまだ存在するだけに近かったのが実情で、実際にテレワークを利用している従業員は5%未満の企業が48.4%を占めていて、働き方が一般化しているとは言い難い状況でした。そこで政府は、テレワーク導入企業が2020年には2012年(11.5%)の3倍となることを政府目標に掲げます。 form5.jpg
372451854.jpg(写真:Adobe Stock)
で、コロナです。全く喜ぶことができない外的要因により、否応なしに働き方が変わります。内閣府が2020年6月に発表した調査によると、全国では34.6%、東京23区では55.5%の方がテレワークを経験しています。業種では教育、学習支援や金融・保険・不動産業などはほぼ半数がテレワークを実施。他方、医療や福祉・保育(9.8%)、農林漁業(17.1%)や小売業(20.1%)は当然ながらテレワーク実施は少ないものの、岩盤規制に阻まれていた遠隔医療がついにはじまり、スマート農業やAIを活用した養殖業などベンチャーが第一次産業を活性化する動きも本格化しています。

結果として政府目標は達成し、より一層のデジタル化を推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)へ向けた環境整備がさまざまな分野で一気に進んでいる、というのが私たちの実感を伴う現状ではないでしょうか。