ここまで書籍「ササるプレゼン」の内容を中心にして、初心者向けにリアル&オンラインプレゼンのための技術やトレンドなどをご紹介してきました。するともうプレゼン準備は整ったも同然!? かというと、「そもそも人前で話すのが苦手で……」という根本的な問題を抱える人が、実はとても多いんですよね。
そこで今回も書籍の内容から「最低限これだけは」をキーワードに、話すための準備についてご紹介します。

苦手意識とどう向き合うのか 「完璧主義」「プレッシャー」からの解放を

まず人前で話すことについて考えてみますが、ここにはいくつかの傾向があると思います。簡単に整理してみると、

●人前で話すことが好きで得意な人
●人前で話すことが好きだけど話すことは苦手な人
●人前で話すことが好きじゃないけど苦手ではない人(嫌いだけど得意)
●人前で話すことが好きじゃないし苦手な人(嫌いで苦手)

このように分類できると思いますが、実際にはもう少し細分化することも可能です。例えば、話すことが好きだけど苦手意識はある。ただ、ちゃんと相手に伝わっている=理解されている場合と、伝わっていない=相手が理解できていない場合などです。ここで問題にすべきは、「苦手意識」とどう向き合うのかということです。
なぜ苦手と感じるのでしょうか。ポイントはいくつかあります。「完璧主義」であるが故に、「上手にできなければ」と過剰に自らを追い込むことでミスが誘発されてしまう。あるいは、性格が社交的ではないため、意見を述べることそのものに恐怖心があり、尻込みをしてしまう。そんな方も多いことでしょう。いずれも結果的にプレッシャーが大きくなり、自らプレゼンのハードルを上げてしまうという悪循環に陥ってしまいそうです。抜本的な性格改善は簡単ではありませんが、まずはプレゼンに関して、完璧主義である自分や、プレッシャーから解放されるためにできることを考えてみましょう。
306956847.jpg(写真:Adobe Stock)

完璧を求め過ぎない プレゼンは「最低限が伝わればOK」と考える

仕事相手である聴き手に対し、丁寧で正確な内容で話すのは大事なこと。とくにビジネスの場面においては、精緻で明解な情報を提供できなければ信頼が得られないだけではなく、自身も自社の評価も下がってしまいます。とはいえ、完璧を求め過ぎることは、かえってデメリットとなりがちです。改めて整理してみましょう。

【完璧を求め過ぎることによるデメリット】
●必要以上に緊張してしまい、本来の力を発揮できなくなる
●相手が必要としているスペック、レベルを実現しようとし過ぎて動きや表現が過剰になる。あるいはピントがずれる、ぼやける
●いわゆる「マインドブロック」が高く強くなってしまい、気後れ、出遅れが強くなる
●柔軟性が低下し、臨機応変に動く余裕がなくなる
●視野が狭くなり、「自分なり」が強くなる

いかがでしょうか。思い当たるフシがありませんか。このような状態に陥ることを避けるために、こう考えましょう。

プレゼンは「最低限が伝わればOK」

はい、前回「オンラインプレゼンの勘所をつかめ!」としてご紹介した、最重要キーワードです。前回は、オンラインプレゼン特有のトラブルを回避するために、簡潔な説明が求められるという意図で説明しましたが、話が苦手であることを克服する意味でも、実は非常に重要なパワーワードなのです。もう少し詳しくみていきましょう。