第2回 「ササるプレゼン」の基礎教養
「もっとササる!『ササるプレゼン』ガイド」第2回目は、「ササるプレゼン」を行うための大前提、「聴き手が何を求めているのか」について考えてみましょう。そのための準備として、聴き手に対して「好まれるテーマ設定」「好まれるスピーカーとは」「好まれる展開」とは何か、ここでは以上の3つに絞って紹介していきます。

聴き手の興味を引く5つのテーマ

それではまず、「好まれるテーマ設定」について考えていきます。
これを外してしまうと、本番では聞いてもらえないプレゼンとなってしまいますので注意しましょう。聴き手の興味を引く最初の接点となりますので、しっかりとテーマを定めることが重要です。タイトルが凡庸では関心を買えませんので、表現を加工して相手にササりやすくする工夫を心がけましょう。

そもそもプレゼンを成立させるためには、「聴き手が何を求めているか」「聴き手の顧客が何を求めているか」などに充分留意して、事前に確認しておく必要があります。
特に仕事上のプレゼンでは先方の意向を認識し、それに沿うようにテーマや内容を構成することが、相手にササる大前提です。一般的に仕事上のプレゼンで聴き手が求めるのは、次のいずれかです。

●旬のテーマ
●普遍的なテーマ
●目新しいテーマ
●直接業績アップや改善が発生するテーマ
●その話を聴くことで外聞がよくなりそうなテーマ

また商売のためのプレゼンは、こちらの「売り物」を受け入れてもらうために行います。相手がその時点では欲していないモノを勧める場合もあるわけです。しかし「相手にササりそうにないから」と提案を諦めてしまったら商売になりません。
ではどうすればよいのかというと、上記の5つのテーマに沿い、あなたの訴えたいテーマを相手が欲しているものに加工すればよいのです。例えば「消費税増税に向けた中小企業経営者の対策」としたセミナーを行う場合、この演台ではカタくて興味を持ってもらいにくいかもしれません。そこで次のように加工します。

●旬のテーマ
〈中小企業経営者のみなさんへ 消費税アップの前にこれだけはやっておこう! 制度施行後に困らないための3つのアドバイス〉

●目新しいテーマ
〈中小企業経営者のみなさんへ 消費税アップをチャンスに変える? 税率アップで競合店に差をつける販促〉

消費税対策にもさまざまなものがありますので、あえて「中小企業経営者のみなさんへ」と入れると、この講座が誰に向けているのか、ターゲットをより明確にでき、対象がハッキリとします
このように聴き手が欲しているものに表現を加工すると、今その情報が欲しい人にはよりササりやすくなるのです。主催者や担当者などから充分な事前ヒアリングをすることで、テーマのピントも合いやすくなります。
また日頃から、基本的な社会情勢を把握しておきましょう。テレビのニュース、新聞、雑誌などをチェックし、世間の話題についていけるくらいの一般知識を持っておくことが、テーマのピントを合わせるのには有効です。